初恋【短】
あたしが今、しなきゃいけないことは・・・
このぬくもりを手放す決心。
決心を、しなければいけない。
「・・・晃平、ばいばいは言わない。・・・だってまた会えるんでしょう?」
「・・・うん。」
「晃平・・・。あたしも、愛してる。」
「・・・うん。」
晃平があたしの左手の薬指についてる指輪を触って言った。
「次会ったときは、もっと高い指輪渡すよ」
「・・・うん。約束だよ、晃平・・・・・」
叶うかなんて、どうでもよかった。
ただ、あたしたちには希望が必要だった。
あたしたちは、ゆっくり体を離す。
・・・そして、世界で一番幸せなキスをした。
『離れている』なんて思わない。
あたしたちが悲しいのは、お互いの距離じゃないから。