初恋【短】
目を開ける。
お店のガラスに映る、自分の姿。
「晃平・・・」
左手の薬指に触れる。
そこには確かに、晃平のぬくもりがあった。
もがいてもがいて、手に入れた確かなぬくもり。
その場にしゃがみ込む。
晃平。「晃平・・・っ」
・・・晃平を想って泣くのはこれで最後にするね。
だって、あたしの中の晃平の思い出は泣いてなんかないから。
・・・笑ってるから。
あたし、笑うよ。
晃平の分まで、晃平のために。
あと、最後に晃平。
恥ずかしいから1回しか言わないよ?
聞いててね。
「・・・めちゃくちゃ愛してるよ。」
*END*