初恋【短】
両想い
【明日、葵部活あるん?】
【ないよ!せっかくのクリスマスイブやしね~】
【よかった。じゃあ明日放課後ちょっといい?】
【いいけど何で?】
【いやちょっと話あるけん・・・】
「ウソーーーー!!!!」
「葵ッうるさい!!」
「あっお姉ちゃんゴメン!」
たった今叫んでたあたし、椎名 葵(14)。
さっきからメールしていた好きな人から、【明日話がある】とかメールきちゃったら叫ばずにはいられないでしょ。
どうしよう、まじでこれは期待しちゃっていいよね?!
あたしの好きな人、綾瀬 晃平は中1から同じクラス2年目の男友達。
中1になってちょっと田舎なこの地域に引っ越して来たあたしは、『東京からの転校生』ってだけでちょっと注目浴びてた。
「ねぇねぇ、東京ってどんななん?!」とかばかり聞いてくるクラスの人をよそに、晃平だけは「東京から来ただけで何や、調子乗っとんのか」と嫌味たっぷりな小言を洩らしてくれた。
元々負けず嫌いなあたしは、すぐに晃平に反論。
「何や、別に他のやつと変わらんやん」そう言って、晃平は悪気のない顔で笑った。
その晃平のおかげで、あたしはクラスに馴染むことが出来たんだ。
まぁそれが好きになった理由ってわけじゃないけど。
・・・とりあえず、1年来の片想い(しかも初恋)がたぶん明日実るのだ。
あたしはなかなか寝れなかった。
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