初恋【短】
今日は終業式しかないから、すぐ放課後に。
べつに告白するのはあたしじゃないのに、ハンパなく緊張する。
呼び出されたところは、靴箱。
今はもう、みんな帰ってしまっているから誰も居ない。
そこに、靴箱に寄りかかっている晃平を見つけた。
晃平が、あたしに気づいてこっちを見る。
けど晃平の表情はめちゃくちゃ緊張していて、悪いけど笑ってしまう。
「・・・よう。」
「・・・ッぷぷ」
あ、やば。
こらえきれなかった。
「人の顔見て笑ってんじゃねーよ・・・」
「っはは、ごめん!」
ちょっと沈黙があってから、晃平が口を開いた。
「・・・・・もう、わかってるかもしんねーけど・・・」
「うん・・・。」
心臓のスピードが、めちゃくちゃ速い。
「俺、葵のこと好きだわ。」
「・・・うん。」
晃平の顔もあたしの顔も、たぶん真っ赤だ。
あたしは顔を上げられないでいた。
「うん。って、なんだよ。・・・どっちなんだよ」
やっと顔を上げたら、晃平の顔は不機嫌だった。でも、赤い。