初恋【短】
「・・・あれ、どこ行った?」
12月25日。
昨日付き合い始めたばかりのあたしたちは、今日のクリスマスにさっそくデートだった。
でも、あたしはつい洋服選びに時間をかけすぎて15分くらい遅刻。
だから、待ち合わせの場所に晃平が居ない。
連絡しようと、ケータイを開いたときだった。
「・・・葵っ!」
晃平が、少し遠くから走ってきた。
「ごめん晃平、遅刻しちゃった・・・」
顔の前で両手を合わせて謝る。
「いーよ。せっかくの初デートだしな~」
そう言って、晃平は手を繋いでくれた。
それから、あたしたちはいろいろお店を見て回った。
・・・「あ!あのお店行きたい!」
「入る?」
「うん!」
あたしたちが入ったのは、たくさんのアクセサリーが並ぶ、可愛らしいお店。
そして、たくさんあるアクセサリーの中から、あたしは見つけた。
あの、指輪。
あのときのあたしは、あの指輪で、あんなことが起こるなんて機敏も思っていなかった。
・・・でも、あの指輪は晃平がくれた、最初で最後のプレゼントだった。