鈴が鳴る時―王子+ヌイグルミ=少年―
☆★☆
ガタン…ガタン…ガタン…
規則正しい振動が響く電車の中は、日曜のお昼なのに意外と空いていて空席が目立っていた。
季節は夏の中旬。学生なら楽しい夏休みの時期。車内はクーラーがこれでもか!というくらいに効いていて、人が少ない今はむしろ寒い。
「映画、面白かったね~!また行こうね!!」
1人の少女が隣に座るもう1人の少女に嬉々と言った。
「うん、そうだね」
隣の少女がそんな友人を見て、微笑みながら答える。
「あっ、そうだ詩穂!このまま私の家に来ない?」
楽しそうな表情のまま、少女が思い出した様に言った。
「えっ?!いいの?」
詩穂と呼ばれた隣の少女は驚いて聞き返す。顔には満面の笑みが広がっていった。
「うん!!」
「やったぁ!鈴音の家、久しぶりだなぁ~!!」
詩穂は思わずガッツポーズをしていた。
「あははっ!そうだね~。…てか、映画より喜んでない?」
「えっ?そんな事ないよ?」
ギクリ、と詩穂はとっさに素っ頓狂な声を上げる。
「ホントに?」と鈴音にしつこく詰め寄られて、最初は誤魔化そうとしていた詩穂も「うっ…実はそうだったりして~…」と苦笑いしながらつい白状してしまった。
鈴音はやっぱりという表情をはっきりと出す。
長年の友人の前では、たとえ詩穂でも嘘がつけない。
白石鈴音という少女は、長い前髪をピンで留め、後ろ髪は少し高い位置に二つに結わえた、いわゆるツインテールという髪型だ。
服装は水色のキャップを被り、白いキャミソールの上にジージャンをはおり、短パンにシューズを履いて腰にはウエストポーチという動きやすそうな服装。
茶髪に髪の色と同じ茶色の大きな瞳を持つ、普通よりは可愛い、どこにでも居る平凡な17歳。
いや、平凡というわけでもない。鈴音は普通の人には見えない存在が見える“霊感少女”だった。しかも、かなり強い霊感である。
この体質のせいで17年間、いろいろと苦労したものだ…
ガタン…ガタン…ガタン…
規則正しい振動が響く電車の中は、日曜のお昼なのに意外と空いていて空席が目立っていた。
季節は夏の中旬。学生なら楽しい夏休みの時期。車内はクーラーがこれでもか!というくらいに効いていて、人が少ない今はむしろ寒い。
「映画、面白かったね~!また行こうね!!」
1人の少女が隣に座るもう1人の少女に嬉々と言った。
「うん、そうだね」
隣の少女がそんな友人を見て、微笑みながら答える。
「あっ、そうだ詩穂!このまま私の家に来ない?」
楽しそうな表情のまま、少女が思い出した様に言った。
「えっ?!いいの?」
詩穂と呼ばれた隣の少女は驚いて聞き返す。顔には満面の笑みが広がっていった。
「うん!!」
「やったぁ!鈴音の家、久しぶりだなぁ~!!」
詩穂は思わずガッツポーズをしていた。
「あははっ!そうだね~。…てか、映画より喜んでない?」
「えっ?そんな事ないよ?」
ギクリ、と詩穂はとっさに素っ頓狂な声を上げる。
「ホントに?」と鈴音にしつこく詰め寄られて、最初は誤魔化そうとしていた詩穂も「うっ…実はそうだったりして~…」と苦笑いしながらつい白状してしまった。
鈴音はやっぱりという表情をはっきりと出す。
長年の友人の前では、たとえ詩穂でも嘘がつけない。
白石鈴音という少女は、長い前髪をピンで留め、後ろ髪は少し高い位置に二つに結わえた、いわゆるツインテールという髪型だ。
服装は水色のキャップを被り、白いキャミソールの上にジージャンをはおり、短パンにシューズを履いて腰にはウエストポーチという動きやすそうな服装。
茶髪に髪の色と同じ茶色の大きな瞳を持つ、普通よりは可愛い、どこにでも居る平凡な17歳。
いや、平凡というわけでもない。鈴音は普通の人には見えない存在が見える“霊感少女”だった。しかも、かなり強い霊感である。
この体質のせいで17年間、いろいろと苦労したものだ…