鈴が鳴る時―王子+ヌイグルミ=少年―
その幼馴染で親友の綾瀬詩穂は温和系美少女。
短い黒髪に大きな黒い瞳。鈴音と同じく17歳。ちなみに白いノースリーブとひらひらのロングスカート、白いサンダルを履いて手には小さな鞄。鈴音とは正反対のファッションだ。
そして、詩穂は綾瀬財閥の大切な一人娘。詩穂のお父さんは『詩穂命!!』というくらいで、とにかくお金には困らないお育ち。
お金持ちにしかも美少女で性格も良いときたら、婚約話も後がたたない。
けれど裏では、婚約話を持ってきた人は詩穂のお父さんに脅されていたり…とこの話はここまでとして、詩穂も実はというと鈴音よりは弱いが鈴音と同じ霊感少女だ。
そんな二人の今日の予定は、映画鑑賞とたった今鈴音の提案で決まった、鈴音宅訪問。
「あっ!次の駅で降りるよ!」
詩穂がわざとらしく大声を出して立ち上がる。
「今、無理やり話題変えた…」
鈴音の鋭さに苦笑しながら小さく肩をすくめると、車内に次の駅のアナウンスが流れた。
電車がホームに滑り込むと、鈴音達以外にも降りる客が数人立ち上がった。
電車を降りると、夏におなじみのじめっとした重く暑苦しい空気が、すぐに二人を包み込む。電車内とはまるで別世界だ。
しかも、車内は空いていたのに、ホームは人が少々混み気味だった。熱気で更に熱い。
最近は地球温暖化でだんだん暑くなってきているというのに…これはかなりキツイ。
熱気から少しでも早く抜け出そうと早足で改札口を抜ける。南口から出ると真夏の太陽の陽射しが二人を容赦なく射し、耳にはもの凄くうるさいセミの声が響いた。
南口から左に曲がってすぐにはバス停があり、右に曲がればそれなりに整備が整ったアスレチックや広場がある無駄にでかい公園だ。その隣には交番。道路を挟んで向かい側にはデパートがあって、お客が時々出入りしていた。
「ねぇ詩穂。私の家までバスで行く?歩いていく?」
家は駅からそれほど遠くはないが、猛暑の中を歩くのはかなり気が引ける。詩穂は予想通り即答で「バス」と力無く言った。「賛成」と鈴音も同意。
短い黒髪に大きな黒い瞳。鈴音と同じく17歳。ちなみに白いノースリーブとひらひらのロングスカート、白いサンダルを履いて手には小さな鞄。鈴音とは正反対のファッションだ。
そして、詩穂は綾瀬財閥の大切な一人娘。詩穂のお父さんは『詩穂命!!』というくらいで、とにかくお金には困らないお育ち。
お金持ちにしかも美少女で性格も良いときたら、婚約話も後がたたない。
けれど裏では、婚約話を持ってきた人は詩穂のお父さんに脅されていたり…とこの話はここまでとして、詩穂も実はというと鈴音よりは弱いが鈴音と同じ霊感少女だ。
そんな二人の今日の予定は、映画鑑賞とたった今鈴音の提案で決まった、鈴音宅訪問。
「あっ!次の駅で降りるよ!」
詩穂がわざとらしく大声を出して立ち上がる。
「今、無理やり話題変えた…」
鈴音の鋭さに苦笑しながら小さく肩をすくめると、車内に次の駅のアナウンスが流れた。
電車がホームに滑り込むと、鈴音達以外にも降りる客が数人立ち上がった。
電車を降りると、夏におなじみのじめっとした重く暑苦しい空気が、すぐに二人を包み込む。電車内とはまるで別世界だ。
しかも、車内は空いていたのに、ホームは人が少々混み気味だった。熱気で更に熱い。
最近は地球温暖化でだんだん暑くなってきているというのに…これはかなりキツイ。
熱気から少しでも早く抜け出そうと早足で改札口を抜ける。南口から出ると真夏の太陽の陽射しが二人を容赦なく射し、耳にはもの凄くうるさいセミの声が響いた。
南口から左に曲がってすぐにはバス停があり、右に曲がればそれなりに整備が整ったアスレチックや広場がある無駄にでかい公園だ。その隣には交番。道路を挟んで向かい側にはデパートがあって、お客が時々出入りしていた。
「ねぇ詩穂。私の家までバスで行く?歩いていく?」
家は駅からそれほど遠くはないが、猛暑の中を歩くのはかなり気が引ける。詩穂は予想通り即答で「バス」と力無く言った。「賛成」と鈴音も同意。