鈴が鳴る時―王子+ヌイグルミ=少年―
その時だった。
「?」
鈴音は誰かに見られているような気がして振り返る。
だが、それらしき人物は見つからない。
通行人は立ち止まる鈴音達を邪魔そうにしながら通り過ぎるだけ。近くのバス停にはバスが停まっているが、その乗客にもいない。
「鈴音?どうしたの?」
詩穂に怪訝な顔をされてハッと我に返る。
「ううん。何でもないよ」
鈴音は詩穂に微笑みながら視線の事は忘れようと頭の隅に追いやった。
実は、今の“誰かに見られているような感じ”は最近頻繁に起こっている。
いつ頃からかというと、気付いたのは二週間前。だけど、もっと前からずっと見ていたのかもしれない。
最初は特に害もないし、あまり気にしていなかったが、さすがにだんだん気味が悪くなってきて、警察にでも言おうと思った。が、肝心の視線の正体が見つからないのだ。
そんなもの絶対に警察は相手になんかしてくれないだろう。
「そう?ならいいけど…」
「あははは…ごめんね…」
「ん?何か言った?」
最後の方は聞こえなかったらしい。きょとんとした顔で訊き返してくる。
「ううん!何でもない!ほら、バスが出ちゃうよ!!」
と言うなり鈴音はもうバス停に向かって走り出していた。
「ちょ、ちょっと待ってー!!」
詩穂も慌ててその後を追いかける。
走りながら鈴音は
(本当になんなんだろう?)
と、まだ不安を振り切れていなかった。
「?」
鈴音は誰かに見られているような気がして振り返る。
だが、それらしき人物は見つからない。
通行人は立ち止まる鈴音達を邪魔そうにしながら通り過ぎるだけ。近くのバス停にはバスが停まっているが、その乗客にもいない。
「鈴音?どうしたの?」
詩穂に怪訝な顔をされてハッと我に返る。
「ううん。何でもないよ」
鈴音は詩穂に微笑みながら視線の事は忘れようと頭の隅に追いやった。
実は、今の“誰かに見られているような感じ”は最近頻繁に起こっている。
いつ頃からかというと、気付いたのは二週間前。だけど、もっと前からずっと見ていたのかもしれない。
最初は特に害もないし、あまり気にしていなかったが、さすがにだんだん気味が悪くなってきて、警察にでも言おうと思った。が、肝心の視線の正体が見つからないのだ。
そんなもの絶対に警察は相手になんかしてくれないだろう。
「そう?ならいいけど…」
「あははは…ごめんね…」
「ん?何か言った?」
最後の方は聞こえなかったらしい。きょとんとした顔で訊き返してくる。
「ううん!何でもない!ほら、バスが出ちゃうよ!!」
と言うなり鈴音はもうバス停に向かって走り出していた。
「ちょ、ちょっと待ってー!!」
詩穂も慌ててその後を追いかける。
走りながら鈴音は
(本当になんなんだろう?)
と、まだ不安を振り切れていなかった。