鈴が鳴る時―王子+ヌイグルミ=少年―
お茶菓子をお盆に載せて二階に上がると、不自然に静かだった。
「詩穂?」
首を傾げながら鈴音が階段から部屋を覗き込んで目にしたものは…
鈴音の部屋の入り口に倒れている詩穂の足だった。
「?!」
すぐさま駆け寄ると詩穂を抱き起こす。
「詩穂!詩穂!」
「う~ん…鈴音ぇ?」
なんとものんきな声が返ってきた。
「詩穂!どうしたの?!」
すると詩穂は目を開けて、間延びした口調で答える。
「あのねぇ~…なんかねぇ~…眠いのぉ~…」
「……はぁ?」
鈴音が困惑しきっていると、また詩穂は目をつむってしまった。
「え、ちょ、ちょっと詩穂!寝ないでよ~!!」
そして、今現在に至るという訳である。
「すー…すー…」
規則正しい詩穂の寝息を聞きながら、鈴音は仕方なく読書を楽しむ事にした。
だが、十分もしないうちに「ふわぁ~」と大きなあくびが一つ出、伸びをする。
そして「飽きたな~」と言って本を投げ出してしまった。
眠そうに目をこすって詩穂を羨ましそうに見やる。
本当は自分のベッドなのに、なぜ友人を寝かしてあげているのだろう…?
自分自身にも呆れた。
『詩穂の隣で一緒に寝る』という事も考えたが、本来は一人用のベッドなので高校生女子二人が寝るには狭くてどっちかがそのうち落ちてしまうだろう。
それに、気持ち良さそうに寝ている詩穂を起こしたくはなかった。
内心、溜め息をまた一つ。…どんどん幸せが逃げていく気がした。
仕方なく本を拾い上げて、また読書を再開させようとしたとき
「おい!」
「詩穂?」
首を傾げながら鈴音が階段から部屋を覗き込んで目にしたものは…
鈴音の部屋の入り口に倒れている詩穂の足だった。
「?!」
すぐさま駆け寄ると詩穂を抱き起こす。
「詩穂!詩穂!」
「う~ん…鈴音ぇ?」
なんとものんきな声が返ってきた。
「詩穂!どうしたの?!」
すると詩穂は目を開けて、間延びした口調で答える。
「あのねぇ~…なんかねぇ~…眠いのぉ~…」
「……はぁ?」
鈴音が困惑しきっていると、また詩穂は目をつむってしまった。
「え、ちょ、ちょっと詩穂!寝ないでよ~!!」
そして、今現在に至るという訳である。
「すー…すー…」
規則正しい詩穂の寝息を聞きながら、鈴音は仕方なく読書を楽しむ事にした。
だが、十分もしないうちに「ふわぁ~」と大きなあくびが一つ出、伸びをする。
そして「飽きたな~」と言って本を投げ出してしまった。
眠そうに目をこすって詩穂を羨ましそうに見やる。
本当は自分のベッドなのに、なぜ友人を寝かしてあげているのだろう…?
自分自身にも呆れた。
『詩穂の隣で一緒に寝る』という事も考えたが、本来は一人用のベッドなので高校生女子二人が寝るには狭くてどっちかがそのうち落ちてしまうだろう。
それに、気持ち良さそうに寝ている詩穂を起こしたくはなかった。
内心、溜め息をまた一つ。…どんどん幸せが逃げていく気がした。
仕方なく本を拾い上げて、また読書を再開させようとしたとき
「おい!」