忘れない
「そう言えば…名前言ってなかったね。僕は城嶋陸…。君は?」
「初根弥生って言います。すみません。自己紹介もなく話しちゃって…」
私がそう言うと、彼は微笑んで「気にしないで」と言ってくれた。そのまま電車がいつも彼が降りる場所でタイミング良く停止すると、彼は立ち上がり、私に向かって「じゃあ」と言って電車を降りて行った。
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