ケータイ恋愛小説家
「ただいま」


家に帰って、手を洗いに洗面所に入る。

美雨ちゃんがお風呂に入っているのか、お風呂場から水音が響いていた。


その時、洗濯籠の上にポツンと置かれた美雨ちゃんの携帯が音を響かせた。


「美雨ちゃーん。携帯鳴ってるよー」


あたしはお風呂の中の美雨ちゃんに声をかける。


「メールかなぁ?」


お風呂場から美雨ちゃんが応える。


「うん。多分」


「悪いけど読んでもらえる?今、急ぎの返事待ってるとこなのー」


え?

いいの?

時々思うけど、美雨ちゃんってこういうとこ大胆というか開けっぴろげというか……。

メールを読まれることを気にするタイプじゃないんだよね。


あたしは美雨ちゃんの携帯を手に取り中を確認する。




だけど送信者の名前を見たとたん、体が固まった。
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