ケータイ恋愛小説家
「誰からぁ?」
お風呂場からは相変わらず能天気な声が響く。
「ああ……えーと」
あたしは慌ててメールを開き、本文を確認する。
そのとたんに胸の奥がズキンと音を立てた。
これが現実だとわかっていても……思考が動き出さない。
「日向?」
「ああ……ごめん。えと……蓮君からだよ。
『金曜日の待ち合わせ。桜ヶ丘駅に3時でよろしく』
だって」
「ん。わかったぁ。ありがとね」
わたしはパタンと携帯を閉じて、元の位置に置いた。
急いで二階へ駆け上がり、自分の部屋に入るとボスンとベッドに倒れこんだ。
そっかぁ……。
もう二人は普通にデートするような仲になってるんだ。
なんか勝手に蓮君が片想いしてるだけなような気がしてたけど、そうでもないんだ。
――なんだ……。
あたしは傍にあった枕を手に取ると、目を閉じてそれをギュと抱きしめた。
梅雨が近づいているせいかな。
枕からは湿った匂いがするような気がした。
――鼻の奥がツンッと痛むのも、きっとそのせいだ。
お風呂場からは相変わらず能天気な声が響く。
「ああ……えーと」
あたしは慌ててメールを開き、本文を確認する。
そのとたんに胸の奥がズキンと音を立てた。
これが現実だとわかっていても……思考が動き出さない。
「日向?」
「ああ……ごめん。えと……蓮君からだよ。
『金曜日の待ち合わせ。桜ヶ丘駅に3時でよろしく』
だって」
「ん。わかったぁ。ありがとね」
わたしはパタンと携帯を閉じて、元の位置に置いた。
急いで二階へ駆け上がり、自分の部屋に入るとボスンとベッドに倒れこんだ。
そっかぁ……。
もう二人は普通にデートするような仲になってるんだ。
なんか勝手に蓮君が片想いしてるだけなような気がしてたけど、そうでもないんだ。
――なんだ……。
あたしは傍にあった枕を手に取ると、目を閉じてそれをギュと抱きしめた。
梅雨が近づいているせいかな。
枕からは湿った匂いがするような気がした。
――鼻の奥がツンッと痛むのも、きっとそのせいだ。