ケータイ恋愛小説家
――ああ……どうしよ。


綾乃に言われたあたしは、自分の気持ちを確かめようと蓮君の部屋を訪ねた。

だけど、さっきから勇気が出せなくて、チャイムを鳴らせずに玄関前で立ちすくんでいる。

人差し指をボタンにかざす。

後は押すだけなのに。


――だ、だめだぁ……。

このドアの向こうに蓮君が居るって想像するだけで、既にドキドキだよぉ。

何の理由もなく会いに来るなんて初めてだし……、いったいどんな顔で会えばいい?

どんな言葉をかければいいの?


ああ、もう!

しっかりしろっ!


あたしは勇気を振り絞って、震える指を再度ボタンにかざした。






「何やってんの?」
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