ケータイ恋愛小説家
「やめてよー? あたしと幸樹がぁ?」


恭子さんまでが眉間に皺を寄せ、明らかに迷惑そうな顔であたしに訴える。

え?

どういうこと?


「ヒナちゃん、オレと恭子が付き合ってると思ってんの?」


「え? 違うんですか?」


とたんに三人は何が可笑しいのか笑い出した。


「ありえねー」


幸樹さんはまだ笑いながら首を横に振る。


「ヒナちゃん。恭子は彼氏いるんだよ」


大輔君が教えてくれた。


「こいつ、金かかるからねー。オヤジとしか付きあえねーの」


親指で恭子さんを指しながら、幸樹さんがからかうように言う。


「なによー!」

一瞬ぷうっと頬を膨らませた恭子さんは、すぐに表情を変え

「ま……実際、そうなんだけどね。 男は経済力でしょ? どれだけお金をかけてくれるかで、あたしへの愛情が量れるの」

あたしの方を見ながら、「ね?」と目を細める。




「それに……」


幸樹さんが言葉を続ける。


「オレも今、好きなやついるんだよね」
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