ケータイ恋愛小説家

「え？　えええええ！」


冗談でしょ？

あたしは春奈の言葉にブンブンと大袈裟に首を横に振り、否定した。


「日向ちゃん、残念ながらオレはだめっすよ？　オレ、春奈の彼氏だから」


洋介君はそう言ってガハハと笑った。

この人が春奈の彼氏か……。

春奈の趣味を疑いつつも、彼を紹介されるわけじゃないことに、あたしはあからさまにホッとした。


ん？

まてよ？


ということは……。


あたしは目線を洋介君からその隣の男の子に移した。


「あ。こいつね……」


あたしの視線に気付いた洋介君が隣の彼を親指で指して紹介してくれた。


「オレのダチの……名前は……」


なぜかそこで口ごもった洋介君の代わりに、彼が口を開く。




「ハチ」





「……へ？　はち？」