ケータイ恋愛小説家
ポカンと口を開けてしまったあたしに、彼は頷いた。
「オレ、バンドやってんだよね。で、みんなオレのことそう呼ぶの。だから、ハチで……よろしく」
親指を立ててバチンとウィンクして見せた。
なっ……
何?
このテンション……。
あたしは、今度はハチをマジマジと観察した。
顔は……悪くない。
一般的に言うところの可愛いタイプの男の子。
髪はかなり明るい茶髪で、長い前髪を斜めに分けている。
それとは逆にトップはかなり短くて、ピョンピョンと立たせてある。
なんか……髪型が懲りすぎてて、まるでヘアカタログからそのまま飛び出してきたみたいだ。
指にはドクロの大きな指輪。
うーん。
バンドって言ってるけど……いったい何系なんだろ?
あたしは不思議な生き物でも見るかのように彼から視線が外せなくなってしまった。
「じゃ。うちらはこのへんで……」
「ほぇ?」
あたしは思わずヘンな声を出して、席を立とうとする春奈の腕を掴んだ。
そして、イヤイヤって首を振る子供のように、無言ですがりつく。
「なーに、恥ずかしがっちゃってんのよぉ。日向ってこう見えて、ウブなんだよね」
春奈はあたしの手をほどきながら、ニコニコ笑ってそう言った。
ちっ……
違うって……!
ウブとかそういう問題じゃなくてさ!
「そうなんだ。可愛いなぁ。でも、後はハチに任せれば大丈夫だって!」
既に立ち上がっていた洋介君もまた白い歯を見せてガハハと笑った。
「オレ、バンドやってんだよね。で、みんなオレのことそう呼ぶの。だから、ハチで……よろしく」
親指を立ててバチンとウィンクして見せた。
なっ……
何?
このテンション……。
あたしは、今度はハチをマジマジと観察した。
顔は……悪くない。
一般的に言うところの可愛いタイプの男の子。
髪はかなり明るい茶髪で、長い前髪を斜めに分けている。
それとは逆にトップはかなり短くて、ピョンピョンと立たせてある。
なんか……髪型が懲りすぎてて、まるでヘアカタログからそのまま飛び出してきたみたいだ。
指にはドクロの大きな指輪。
うーん。
バンドって言ってるけど……いったい何系なんだろ?
あたしは不思議な生き物でも見るかのように彼から視線が外せなくなってしまった。
「じゃ。うちらはこのへんで……」
「ほぇ?」
あたしは思わずヘンな声を出して、席を立とうとする春奈の腕を掴んだ。
そして、イヤイヤって首を振る子供のように、無言ですがりつく。
「なーに、恥ずかしがっちゃってんのよぉ。日向ってこう見えて、ウブなんだよね」
春奈はあたしの手をほどきながら、ニコニコ笑ってそう言った。
ちっ……
違うって……!
ウブとかそういう問題じゃなくてさ!
「そうなんだ。可愛いなぁ。でも、後はハチに任せれば大丈夫だって!」
既に立ち上がっていた洋介君もまた白い歯を見せてガハハと笑った。