ケータイ恋愛小説家
「えっ……ええっ」


思わぬセリフにあたしの頬は急激に熱を帯びた。

不覚にも心臓がドキドキと暴れ出す……。


な……何、真に受けてんのよ!

前に蓮君から言われたじゃない!

『可愛い』なんて誰でも気軽に使う言葉だって。

特別な意味なんて何もないんだから!

そうだよ……特別な意味なんて何もないっ。

あたしは自分にそう言い聞かせて、トクトクと煩い鼓動を落ち着かせようとした。



「で……」


ハチの言葉はまだ続く。

あたしは何も言葉が出てこず、ただ俯いていた。




「誰にも渡したくない……って……思った」
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