ケータイ恋愛小説家


「日向ちゃんのそれ何?」


合コンも一息ついたところで、大輔君があたしの飲み物を指差して訊いてきた。


「アイスティーだよ。大輔君のは?」


「ん? ジュース。普通のジュースだよ。飲んでみる?」


そう言って、グイッとグラスをあたしに差し出す。


いつもなら、出会ったばかりの人のグラスに口をつけるなんて、すごく抵抗があるんだけど、今日のこの雰囲気のせいか、あたしは自然にグラスを受け取り口をつけた。


一口飲んでみる。

ゴクリッ……


初めはきつい炭酸かと思ったけど、喉の奥が焼け付くように熱い。


「やぁあああ……。これ…お酒?」


あたしは舌をベーと出し、顔をしかめて大輔君に尋ねる。


「あ、あれ? ひょっとして酒飲んだことなかった?」


ほんの少し慌てる大輔君にあたしはコクンと頷く。


「マジ? そっかー。ごめんな。てか……」


大輔君はポンポンとあたしの頭を撫でながら


「可愛すぎっ!ヒナちゃん」


まさにボンッて感じで、そのセリフに耳まで真っ赤になるあたし。

大輔君に触れられた頭が、カーっと熱を帯びて、いつまでもジンジンとする。



な…何これ?

これって、この感覚って……

ひょっとして……
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