ケータイ恋愛小説家
想いを封印する時
「おはよ……」
まだ寝ぼけ眼のままリビングへ入った。
昨夜は小説の更新を遅くまでやっていたからすっかり寝坊しちゃった。
「なにが『おはよう』よ。もうすぐお昼よ? いくら土曜で学校が休みだからって、寝すぎじゃない?」
お母さんが呆れ顔を見せた。
「ん――」
まだ目覚めてくれない頭で、ぼんやりしながらテーブルについていると、お母さんがカフェオレを入れてくれた。
コーヒーよりも紅茶派なあたしだけど、カフェオレだけは別。
カフェオレボウルを両手で包み込むように持つ。
――あったかい。
湯気に乗って立ち上る香りに包まれる瞬間は、なぜかとても幸せな気分になる。
「寝グセついてるよ」
お母さんに指摘されて、あたしはテーブル横の窓に映る自分の姿を確認した。
今日も雨が降っている。
そのせいで外は暗く、室内に灯りがついているため、窓には髪の毛がピョンと跳ねた、冴えないあたしの顔が映った。
「うわ……ぶさいく」
思わず自分の顔につっこみを入れてしまう。
「何言ってんの! 早く着替えて顔でも洗ってらっしゃいよ。美雨なんて朝早くからすんごいオシャレして出て行ったわよー」
「美雨ちゃん出かけたんだ……」
「あれはデートね……きっと」
お母さんはムフフと含み笑いをした。
まだ寝ぼけ眼のままリビングへ入った。
昨夜は小説の更新を遅くまでやっていたからすっかり寝坊しちゃった。
「なにが『おはよう』よ。もうすぐお昼よ? いくら土曜で学校が休みだからって、寝すぎじゃない?」
お母さんが呆れ顔を見せた。
「ん――」
まだ目覚めてくれない頭で、ぼんやりしながらテーブルについていると、お母さんがカフェオレを入れてくれた。
コーヒーよりも紅茶派なあたしだけど、カフェオレだけは別。
カフェオレボウルを両手で包み込むように持つ。
――あったかい。
湯気に乗って立ち上る香りに包まれる瞬間は、なぜかとても幸せな気分になる。
「寝グセついてるよ」
お母さんに指摘されて、あたしはテーブル横の窓に映る自分の姿を確認した。
今日も雨が降っている。
そのせいで外は暗く、室内に灯りがついているため、窓には髪の毛がピョンと跳ねた、冴えないあたしの顔が映った。
「うわ……ぶさいく」
思わず自分の顔につっこみを入れてしまう。
「何言ってんの! 早く着替えて顔でも洗ってらっしゃいよ。美雨なんて朝早くからすんごいオシャレして出て行ったわよー」
「美雨ちゃん出かけたんだ……」
「あれはデートね……きっと」
お母さんはムフフと含み笑いをした。