ケータイ恋愛小説家
あたしと彼と彼
あれから何日経ったのかな?
もうずっと小説は書いてない。
ちょうど試験期間に入ったことだし、これで勉強にも集中できる。
これで良かったのだと、毎日のように自分に言い聞かせていた。
あたしは何日も立ち上げていないパソコンの黒いモニター画面をぼんやり眺めた。
「さて……勉強、勉強」
明日は期末試験最終日だ。
誰に言うでもなくブツブツ呟きながら教科書を開く。
ふいに机の上に置いてあった携帯が震えた。
着信メールを開いた瞬間、あたしの心臓はトクンと音を立てた。
――――――――-
From 蓮君
最近連絡ないけど
男の取材はもういいの?
――――――――-
蓮君と美雨ちゃんが付き合い始めてから、あたしは蓮君との連絡も絶っていた。
だって美雨ちゃんの恋人なんだもん。
こんな気持ちのまま蓮君に接触しちゃ、いけない気がしてたんだ。
――どうしよ。
しばらく携帯を握り締めて考えてから、親指を動かし始めた。
――――――――-
To 蓮君
もう小説は書かないからいい
――――――――-
するとすぐに今度は電話がかかってきた。
《なんで?》
耳元で聞こえる蓮君の声。
低くて甘くて……やっぱりドキドキしちゃう。
「なんでって……」
《お前頑張るんじゃなかったの? なんだかんだ言ってそんなもんだったんだ。ま、女子高生のヒマつぶしみたいなもんだったんだもんな》
なっ……なんでそんな挑発するような言い方すんのよ?
「……なによぉ! 蓮君には関係ないじゃん!」
気が付くとあたしの声は自分でもビックリするぐらい大きなものになっていた。
しばらくの沈黙の後、電話の向こうから、ため息と共に静かな声が聞こえた。
《だな。オレには関係ないな……。じゃぁな》
そこで電話は切れた。
ツーツーという機械音だけを虚しく残して……。
もうずっと小説は書いてない。
ちょうど試験期間に入ったことだし、これで勉強にも集中できる。
これで良かったのだと、毎日のように自分に言い聞かせていた。
あたしは何日も立ち上げていないパソコンの黒いモニター画面をぼんやり眺めた。
「さて……勉強、勉強」
明日は期末試験最終日だ。
誰に言うでもなくブツブツ呟きながら教科書を開く。
ふいに机の上に置いてあった携帯が震えた。
着信メールを開いた瞬間、あたしの心臓はトクンと音を立てた。
――――――――-
From 蓮君
最近連絡ないけど
男の取材はもういいの?
――――――――-
蓮君と美雨ちゃんが付き合い始めてから、あたしは蓮君との連絡も絶っていた。
だって美雨ちゃんの恋人なんだもん。
こんな気持ちのまま蓮君に接触しちゃ、いけない気がしてたんだ。
――どうしよ。
しばらく携帯を握り締めて考えてから、親指を動かし始めた。
――――――――-
To 蓮君
もう小説は書かないからいい
――――――――-
するとすぐに今度は電話がかかってきた。
《なんで?》
耳元で聞こえる蓮君の声。
低くて甘くて……やっぱりドキドキしちゃう。
「なんでって……」
《お前頑張るんじゃなかったの? なんだかんだ言ってそんなもんだったんだ。ま、女子高生のヒマつぶしみたいなもんだったんだもんな》
なっ……なんでそんな挑発するような言い方すんのよ?
「……なによぉ! 蓮君には関係ないじゃん!」
気が付くとあたしの声は自分でもビックリするぐらい大きなものになっていた。
しばらくの沈黙の後、電話の向こうから、ため息と共に静かな声が聞こえた。
《だな。オレには関係ないな……。じゃぁな》
そこで電話は切れた。
ツーツーという機械音だけを虚しく残して……。