ケータイ恋愛小説家
ああ……。

結局、手繋いじゃった。

蓮君の手はやっぱり大きくて暖かい。

前に繋いでもらったのは、たしか模擬デートをしてくれた時だったよね。

あの時とちょっと違うのは、わたし達の関係と……それからあたしの気持ち。

あの時はただ、手を繋いでくれたことにドキドキして、ちょっぴりはしゃいでいたっけ。

でも今は……ちょっと切ないや。

この手は美雨ちゃんのものなんだよね。

そんなこと思って、また胸がチクチクと痛んだ。


「あのさ……」


ふいに頭上から蓮君の声が降ってくる。


「何?」


「オレ、お前に聞きたいことがあんだけど……」



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