ケータイ恋愛小説家
いつの間にか目の縁に溜まっていた涙が溢れてこぼれ出した。

蓮君はすごいよ……。


なんでわかるんだろ……あたしが欲しかった言葉。


そのままのあたしでいいの?

あたしが思うままに書けばそれでいいの?


「もー。ほんと頼むから泣くなよぉ……」


「ぷっ」


蓮君があまりにも困ったような顔をするので、あたしは思わず吹き出してしまった。


「あはは」


「なんなんだよ? 今泣いてたかと思ったら今度は笑ってるし。……んと、お前ってわけわかんねーな。ま、でも……」


蓮君はあたしの頭に手を乗せ

「それがお前だよな」

と呟きながら、クシュクシュとあたしの髪を撫でた。


その瞬間、また泣きそうになった。

溢れそうな想いが、喉の奥からこみ上げてくる……。

心臓がバクバクと暴れ出す。


蓮君の暖かいこの手が好き。

優しい眼差しが好き……。


もう無理……。

もう……

止められないよ。


「蓮君……あたし……あたしね……」


「ん? どした?」


蓮君は少し腰をかがめて、あたしの顔を覗き込む。


その目をじっと見つめて、カラカラの喉であたしは声を振り絞った。








「す……き」





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