ケータイ恋愛小説家
雨のイタズラ
「そろそろ帰るか」


「うん」


しばらく夏祭りを堪能した後、あたし達は家路につくことにした。

もう手は繋いでいないけど蓮君はいつもよりゆっくり歩いてくれている。

きっと慣れない下駄を履いたあたしを気遣ってくれているんだと思う。



しばらく歩いていると、頭に水滴がポツンと落ちてきた。

手をかざし、空を見上げると、ポツポツと雨が降り始めた。


「やべっ。走るぞ」


あたしはまた蓮君に手を引かれて、走らされた。

あたし達が今いる場所からは蓮君のマンションが一番近かったので、そこへ向かうことになったのだ。
< 238 / 365 >

この作品をシェア

pagetop