ケータイ恋愛小説家
「れ……蓮君、酔ってる?」


あたしはなんとか蓮君から逃げようとじりじりと後ろに下がった。

そして、気づいた。

もう雨の音がしなくなっていることに。


神様!!

あたしは心の中で手を合わせて感謝しながら、必死で口を開く。


「も、もう、あたし帰るね。雨止んでるみたいだし」


あたしはとりあえず立ち上がろうとした。


だけど、

「きゃあああああ」

蓮君があたしの手首を掴んで引っ張ったせいで、腰を上げかけたあたしは元の位置に戻されてしまった。


「ダメ。まだいてよ」


蓮君はうるうるの瞳をあたしに向ける。


な、何子供みたいなこと言ってるのよぉおおおおおお。


もう、ダメだ。

蓮君、完全に酔っ払ってる。

まさかこんなにお酒に弱いなんて、知らなかったよぉ。
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