ケータイ恋愛小説家
「……なんでぇ？……ヒック……」


嗚咽交じりの声が漏れる。


涙が止まらなかった。

画面をスクロールさせて、一つ一つの書き込みに目を通す。



「……でっ……みんなっ……こんなに優しいの……？」



永遠に続くんじゃないかと思われるほどのたくさんのメッセージ。

その一つ一つに込められた読者からの優しい言葉に胸の奥が熱くなって涙が止まらない。


あたしはバカだ。

勝手に居場所がないなんて、思い込んで。


あったんだよ。

ちゃんとここに、あたしの居場所はあったんだ……。


だって、あたしも……あたしの小説もこんなに愛されてるんだもん。


だったら、あたしもちゃんと向き合わなきゃダメだ。



あたしはキーボードに両手を乗せた。

そして、今あたしが読者に伝えるべきもの、言わなきゃいけない言葉を頭の中に浮かべる。


指先に神経を集中させて……そして動かす。


あたしの言葉であたしの気持ちを……この指から、みんなへ。

ヒマワリじゃなくて、小菅日向としての素直な気持ちを……。




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