ケータイ恋愛小説家
あたしの顔のすぐ上に大輔君の顔がある。


大輔君は何かを確認するように、黙ったままあたしを覗き込み、それからゆっくりと顔を近づけてくる。


あ……

あれ?


これって。

この状況って。


あたっ……あたし、セリフ間違えた?


確かに、男の人を知りたいって言ったけど!

それはあくまでも小説のネタのためなの!

男心の微妙なとことか、男性の仕草とか行動とか……まずはそういうとこから知りたいわけで。

出会っていきなりこうなりたいってわけじゃないんだよぉ……。



だんだん彼の唇が近づいてくる。


このままだとキスされちゃう。


あたし、とうとうファーストキスを経験しちゃうの?
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