ケータイ恋愛小説家
「日向も、どーんとぶつかっちゃいなよ、蓮君にさ。田中先生があたしの気持ちを受け止めてくれたように、蓮君もきっと日向の気持ち、受け止めてくれるよ?」


「綾乃ぉ……」


もう限界だった。

あたしの両目からはポロポロと涙が零れる。

――ぐすっ

あたしは鼻をすすって上目遣いで綾乃を見つめる。


「……振られたらなぐさめてくれる?」


「まかせなさい!」って、綾乃はにっこり微笑んだ。


「でも、蓮君ってほんとかっこいいよねぇ……。あたしもあんな幼馴染欲しいよ~。あんな人が傍にいたら、絶対好きになっちゃうよね」


綾乃はブツブツと独り言のように呟いていた。


言ってもいいのかな?


「好き」って伝えてもいい?

蓮君なら、あたしの気持ちをきちんと受け止めてくれるかな?

そしてちゃんと振ってくれる?


そうすれば、あたしは綾乃みたいに……

「彼を好きになって良かった」って、こんな風に笑顔で言って、そして二人をちゃんと祝福できるようになるのかな。



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