ケータイ恋愛小説家
翌日、あたしは駅前のロータリーでハチを待っていた。
そう、あたしは昨日ハチに電話をかけたのだ。
蓮君に告白する前に……まずは自分の気持ちを正直にハチに話そうと思ったから。
ハチとは相変わらず中途半端な関係だった。
そんな状態で蓮君に告白するなんて、ハチに対して失礼な気がしたんだ。
だって、このままだったら、あたしはきっとハチに甘えてしまう。
蓮君がダメだったらハチ……みたいにハチを保険みたいな扱いにしてしまいそうだ。
初めて会った時からハチはあたしに真っ直ぐにぶつかってきてくれた、だからあたしもちゃんと向き合う。
あたしが思っていること全て、ちゃんとハチに話さなきゃ。
待ち合わせにはまだ少し時間があったので、あたしはロータリー脇のベンチに腰掛けた。
するとあたしのすぐ横に男の人が座ってきた。
なぜか視線を感じて顔を上げると……
「あ……」
あたしは思わず声を上げた。
「やっぱり……ヒナちゃんだよね?」