ケータイ恋愛小説家
近寄ってきた彼女はあたしに向かって声をかける。



「日向!」


「美雨ちゃん……?」


「何してんのぉ? 誰かと待ち合わせ?」


いつものようにのんびりとした口調で質問をしてくる美雨ちゃんをあたしは目をパチパチさせて見つめることしかできない。


そう。

あたし達の方へ駆け寄ってきた女性は、まぎれもない美雨ちゃんだった。



「え? 何? 二人、知り合い?」


あたし達の様子に幸樹さんも不思議そうな声を上げる。


「妹なの」


「マジで?」


美雨ちゃんの答えに驚きを隠せない幸樹さん。


だけどそれ以上に驚いていたのは、あたし自身だった。


いったいどういうこと……?

これって……つまり……




「美雨ちゃんと幸樹さんて……付き合ってるの?」


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