ケータイ恋愛小説家
あたしは小さく頷くと、そっと封筒を開けた。
中には2枚、チケットのようなものが入っている。
それを封筒から出した瞬間……あたしは目を見開いた。
「これ……」
視界がじわりと滲む。
せっかく乾きかけた涙がまた溢れてくる。
「あいつ、日向の姉ちゃんとはなんでもなかったんだろ?」
ハチは聞いていたんだ。
さっき、駅前のロータリーで幸樹さんと美雨ちゃんと3人で話していた内容を……。
「あー。もぉ。ほんとムカツク!」
ハチは髪をガシガシ掻いている。
「あいつ……あの日、日向のこと待ってたんじゃねーの? 学校の前で。それ渡すためにさ」
――あの日。
試験の最終日。
ハチに手を引かれて校門から出てきたあたしは、蓮君に出会った。
あの時はてっきり美雨ちゃんを待っているんだとばかり思っていた。
だけどあれはあたしを待っていてくれたの?
あたしは手にしたチケットを見つめる。
中には2枚、チケットのようなものが入っている。
それを封筒から出した瞬間……あたしは目を見開いた。
「これ……」
視界がじわりと滲む。
せっかく乾きかけた涙がまた溢れてくる。
「あいつ、日向の姉ちゃんとはなんでもなかったんだろ?」
ハチは聞いていたんだ。
さっき、駅前のロータリーで幸樹さんと美雨ちゃんと3人で話していた内容を……。
「あー。もぉ。ほんとムカツク!」
ハチは髪をガシガシ掻いている。
「あいつ……あの日、日向のこと待ってたんじゃねーの? 学校の前で。それ渡すためにさ」
――あの日。
試験の最終日。
ハチに手を引かれて校門から出てきたあたしは、蓮君に出会った。
あの時はてっきり美雨ちゃんを待っているんだとばかり思っていた。
だけどあれはあたしを待っていてくれたの?
あたしは手にしたチケットを見つめる。