ケータイ恋愛小説家
――キスされる。

そう思った瞬間、ふわりとあたしの唇に息が吹きかかった。

また寸止め。


「……いじわる」


真っ赤な顔で呟く。


いつもそう。

蓮君はこうやって、あたしの反応を楽しむんだ。


すると、今度はいきなりあたしの耳を甘く噛んだ。


「……やっ……」


自分でもびっくりするぐらいエッチな声が出ちゃって、思わず手で口を覆った。

蓮君はくすりと笑うと、急に真顔になってあたしの顔を覗き込む。


「……やっぱ無理。続き……いい?」


「えっ……続きって……」


「オレ……我慢できないんだけど。早くヌいてしまいたい」


「やだ……。ヤダヤダ……」


あたしはフルフルと顔を横に振って、涙目のまま訴える。


「そんな顔、逆効果だって。もっといじめたくなるっつうの」


「や……蓮くっ……きゃ……」


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