ケータイ恋愛小説家
ケータイ小説を書いていること。
しかも内容は自分が経験したこともないことばかりであること。
そして、アジサイという人の書き込みのこと。
彼氏経験が無いことを馬鹿にされたような気がして悔しかったこと。
だから、できるだけ早く男の人のことを知りたかったということ。
あたしがひとしきり話し終えるまで、蓮君は何も言わずただ黙って聞いていてくれた。
そして
「……バカか」
ピンッ
蓮君はそう言うと、あたしのおでこを指で弾いた。
言葉とは裏腹にその表情は、なぜか優しかった。
その表情にホッとしたせいか、涙がポロポロと零れた。
ホントはずっと不安だったの。
本当の恋なんて知らないあたしの書く小説。
寄せ集めた知識だけのリアリティーのかけらも無い恋愛をどれだけ書いても、いつかはほころびが出てくる。
あたしだってそんなことわかってた。
そんな不安ごと全部見透かされて指摘されたような気がして、怖かった。
アジサイという人の存在が恐怖だったの……。
しかも内容は自分が経験したこともないことばかりであること。
そして、アジサイという人の書き込みのこと。
彼氏経験が無いことを馬鹿にされたような気がして悔しかったこと。
だから、できるだけ早く男の人のことを知りたかったということ。
あたしがひとしきり話し終えるまで、蓮君は何も言わずただ黙って聞いていてくれた。
そして
「……バカか」
ピンッ
蓮君はそう言うと、あたしのおでこを指で弾いた。
言葉とは裏腹にその表情は、なぜか優しかった。
その表情にホッとしたせいか、涙がポロポロと零れた。
ホントはずっと不安だったの。
本当の恋なんて知らないあたしの書く小説。
寄せ集めた知識だけのリアリティーのかけらも無い恋愛をどれだけ書いても、いつかはほころびが出てくる。
あたしだってそんなことわかってた。
そんな不安ごと全部見透かされて指摘されたような気がして、怖かった。
アジサイという人の存在が恐怖だったの……。