ケータイ恋愛小説家
「棘(トゲ)」
「だよなぁ……。何でこんなもん指に入ってんだよ?」
「だってぇ……。洗濯物が木の枝にひっかかっちゃてぇ……」
あたし達はリビングのソファに座っている。
ここからも見える、まだ洗濯物がひっかかったままの庭の木を指差した。
「アレ取るつもりで登ってたら、指に刺さっちゃったの」
「んと、ドジだよな……日向は。痛がりで怖がりだし」
蓮君はあたしの手を取って、まだ血が滲んだままの人差し指を口に含んだ。
――キュン
一瞬心臓が小さくなったんじゃないかって錯覚しちゃうぐらいのトキメキ。
この感じ――蓮君と出会ってから何度も味わってる。
いい加減慣れなきゃ……って思うのに、毎回同じような反応しちゃう。
そんなあたしを見て蓮君はフッと笑みをこぼした。
そして側に置いてあった救急箱にピンセットをしまうと、代わりにコットンと消毒液を取り出した。
「や……もう、痛いのやだぁ」
「ダメ。我慢できたら、ちゃんとご褒美やるから」
「ご褒美?」
「だよなぁ……。何でこんなもん指に入ってんだよ?」
「だってぇ……。洗濯物が木の枝にひっかかっちゃてぇ……」
あたし達はリビングのソファに座っている。
ここからも見える、まだ洗濯物がひっかかったままの庭の木を指差した。
「アレ取るつもりで登ってたら、指に刺さっちゃったの」
「んと、ドジだよな……日向は。痛がりで怖がりだし」
蓮君はあたしの手を取って、まだ血が滲んだままの人差し指を口に含んだ。
――キュン
一瞬心臓が小さくなったんじゃないかって錯覚しちゃうぐらいのトキメキ。
この感じ――蓮君と出会ってから何度も味わってる。
いい加減慣れなきゃ……って思うのに、毎回同じような反応しちゃう。
そんなあたしを見て蓮君はフッと笑みをこぼした。
そして側に置いてあった救急箱にピンセットをしまうと、代わりにコットンと消毒液を取り出した。
「や……もう、痛いのやだぁ」
「ダメ。我慢できたら、ちゃんとご褒美やるから」
「ご褒美?」