ケータイ恋愛小説家
首を傾げてキョトンとしていると、その隙に蓮君はさっとあたしの指を消毒した。

そして絆創膏を丁寧に貼る。




「ありがと」――そう言おうとした瞬間。

唇が温かいものに包まれる。

あたしはそっと目を閉じた。


蓮君のキス……好き。

優しくて、ゆっくりで……まるであたしの唇の感触を味わうようなキス。

あたしの体はそれだけで熱を帯びてとろけそうになる。


キスしている間中ずっと……

魔法の呪文みたいにあたしの頭を巡る言葉。


好き……好き……好き。




ふいに唇に空気が触れた。


蓮君はいったん唇を離すと「ご褒美」と言ってニヤリと笑った。



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