ケータイ恋愛小説家
「あ……」


その顔を見て、何か言おうとパクパクさせていたあたしの唇は、またあっさりと奪われる。


今度はさっきと違って、抱きしめられて深く熱いキスをした。

蓮君の舌があたしの舌を探す。


「んっ……」


こういうキスはまだ慣れない。

恥ずかしくてどうしたらいいかわかんないよぉ。

頭がぼんやりとして、何も考えられなくなりそう……。



そんなあたしの様子に蓮君はクスクス笑いながら唇を解放してくれた。


「もぉ、何がおかしいのよぉ?」


「いや、別に……反応が新鮮で……可愛いなって思って」


「なっ……なっ……なっ」


蓮君は最近おかしい。

前なら絶対言わないような甘いセリフをいともたやすく言葉にする。


「そんなこと言って、誤魔化してもダメなんだからね」


「はいはい」


まるで小さな子供をあやすみたいな言い方。

子供扱いは相変わらずだ。


「あ。そだ……」

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