ケータイ恋愛小説家
「はぁ?」
蓮君はあからさまに呆れたような顔をした。
「何言ってんの? 今更もういいじゃん。わかってんだろ?」
「やだぁ……。やだやだ」
あたしはイヤイヤと顔を振って、蓮君のシャツの裾を握った。
「ちゃんと言ってよぉ。ずっと憧れてたんだもん。好きな人に告白されるの」
「あ――……」
蓮君は一瞬天を仰いでから、あたしの方へ向き直る。
あたしはそんな彼をワクワクドキドキした期待感たっぷりの眼差しで見つめる。
なぜか涙腺まで緩んできて、目がウルウルしちゃう。
蓮君はあたしの顎を指でつまんで顔をほんの少し上に上げさせた。
そして自分の顔を近づきながら呟く……。
「オレ……自分でもヤバいって思うぐらい…お前のこと……」
あとちょっとでキスされる。
あたしは目を閉じて、蓮君の唇と甘い言葉を待つ。