ケータイ恋愛小説家
き……キス。


その単語に、やっと忘れかけていた昨日の記憶がまた甦る。


ボンッ。

また耳まで真っ赤に染まる。


蓮君のあの悩ましい表情がまたあたしの脳裏に浮かぶ。

あたしはそれを懸命に消そうとするんだけど……

だめだぁああああ。


もう、どうしちゃったんだよ、あたし。


蓮君の甘い香り、抱きしめられた感触、全てがあたしの記憶に刻み込まれている。

そしてもちろん、あのキレイな形の唇も……。


あのままキス……


してみたかったな……。



え?


今、あたし何考えた?


キスしたかったって?


んなわけない!

違う違う!

ははは。

だって、あたしの王子様は大輔君なんだもん!


でもどうしてだろう?


大輔君にキスされそうになった時は、拒んだくせに。


蓮君とのキスは……嫌じゃなかった。


むしろ……あのまま……


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