ケータイ恋愛小説家
「ち、違う! そんなの間違ってる!」


あたしは手に持っていたフォークをギュと握って叫んだ。




「何が間違ってるって?」



「は……」



見上げるとすぐそこに腕を組みあたしを見下ろす田中先生。

片方の眉を上げ、気のせいか顔がぴくぴくとひきつっているような。


え?

えええええ?

まさか!

いつの間に、授業始まってたの……?


前の席には、「あちゃぁぁああ」って感じで頭を抱え込む綾乃。


「小菅ぁああああ! お前オレの授業で、教科書も出さずに弁当食ってるとは良い度胸だなぁあああああ」



あううううううううう!



なんか、あたし……


数学の田中先生とはどうにも相性が悪いようです。


しゅん……。




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