ケータイ恋愛小説家
「……なた! ひなた!」


「――んん……」


まだ重い瞼を開けると心配そうに覗き込む蓮君の顔があたしのすぐ上にあった。


「――蓮……くん? おかえりなさい」


何故だろう。

すごく良い夢を見ていたような気がする。

あたし今きっとものすごく幸せそうな顔してると思う。


「ふにゃぁ……」


あたしはまだ横になったままベッドの上で伸びをした。




「あのさぁ……」


蓮君は腰に手を当てて、まだまどろんでいるあたしに呆れたような顔を向けた。


「ん?」


「お前、ほんと無防備すぎ」


「ほえ?」


「パンツ見えっぞ」


蓮君のその言葉を聞いたとたん、パチンッと目が冴えた。

あたしは慌てて起き上がると、スカートの裾を押さえた。

制服のスカートは短めにしてあるし、眠っているうちにかなりきわどいポーズになってたかもしれない……。


うわぁああん……。

どうしよう……。


「み……見えてた?」
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