運命ノヒト
プロローグ
 勉強ばっかりの学校。
 つまらないだけの学校を変えてくれたのは、キミだった。



 日差しが強い、7月の真夏日。もうすぐ8月を迎えようとしている季節は、ただ紅葡の心を置いてけぼりに、さっさと進む。

 【修旅オツカレ~。
  結局四泊五日になっちゃうなんて、めちゃくちゃな修旅になったね!藁】

 親友・梨帆からのメール。

 【とんだ修旅だよー藁藁
  でも、梨帆は良かったジャン、Wデートできたし?藁】

 ブブブブッブブブブッ

 突如ふるえ出すケータイ。

 「もしもし?」
 『あ、紅葡?梨帆だけど』
 「うん、分かってる」
 『あ、そっか』
 「うん、で?どうしたの」
 『メール、めんどくさくなっちゃって。電話のほーが楽』
 「そっか。じゃ、今からうちに来る?」
 『いーの?!』

 梨帆のテンションが急上昇する。

 「いーよ。その代わり、早く来てよねっ♪」
 『うんうん、行く行く!超特急で行くから!』

 5分後。

 「・・・早すぎない?」
 「そう?」

 息を切らしながらも、笑顔の梨帆。
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