ラブレター



周りを見渡すとぞろぞろと講義室を出る生徒や出席カードを提出しに行く生徒が沢山席を立っていた。



感想書きに時間をとられていたため移動の準備が出来ていなかったあたしを見て奈々はあたし達のグループの出席カード提出しに前に行った。



あーあ

あたしが行きたかったなぁ。


先生の近くに行けるチャンスなのにー。


戻って来た奈々は「ごめんな、ゆづちゃん」と言って手を顔の前に合わせて謝った。


きっと優しい子だからあたしの気持ちをわかりつつした行動への謝罪だったんだろう。


「いや、こちらこそごめんね、ありがとう」


あたしの返事を聞くなり嬉しそうに笑う奈々。



なんであたしの友達はこんないい子ばっかなんだろう。


こっちに来る前に


関西人は怖い


なんていうイメージを持っていた自分を殴ってやりたいよ。
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