ラブレター



移動の準備が出来て


もう一度先生が見たくて前を見ると同じ学科の溝田さんが先生と楽しそうに喋りながら一緒に黒板を消していた。


ズキッ


痛い。


痛い。


胸が痛いよ 先生。



「あたしもあのぐらい気遣える子だったらな‥」


「あぁ‥溝田さんか。」


「でも一番後ろの席から出て行って黒板消すのとかキモくない?」


「確かになぁ‥」



友恵と苦笑いを浮かべながら講義室を出ていく先生を見つめていた。


4限目の講義の内容なんか頭に入ってない。


いや いつものことだけど。



出席カードいやあのラブレターを提出するのは結構勇気がいる。


もう出すのは何回目かわからないけど未だにドキドキする。


もちろん先生は何も言わない。


他の子の感想や意見、質問なんかをたまに言って答えてるから絶対読まれてるんだろうけど。


迷惑だよね、先生。


ごめんなさい。


だけどかなわないとわかっていてもやめられないの。
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