ラブレター
先生が担当しているのは心理学。
配られた先生お手製のレジュメに沿って講義が進められていく。
黒板にはどんどん先生の綺麗な字が並んでいって、あたしはそれを先生のレジュメに書き加える。
黒板に書き終えたら先生は必ずこちらを向いて説明をする。
「あぁ格好いい‥」
「もう何回目やねん」
隣で呆れる友恵を無視して先生を見つめる。
黒いサラサラの髪は
短くて無造作って感じ。
目は大きな二重
口は少しアヒル口で笑ってなくても笑ってるように見える。
たぶん「い」って口を横に開くと勝手に口角が上がるんだろうな。
先生が説明している姿を見ながら勝手に分析していく。
でもだからかな、いつも笑ってるように見えるからか優しそうな印象なんだ。
顔は俳優の松○健一によく似ている。
皆似てるってよく話しているからいつしか先生のあだ名は松ケン。
偶然だけど先生の名字にも“松”が付くから余計に定着してしまってるみたい。
ちなみにあたしは先生と呼ぶ。
まぁ心の中でだけっていうのが切ないけどね。