ラブレター



あたしは顔が赤くなるのを隠しながら「もう」なんて言いながら俯く。


それと同時に先生がこちらへ戻ってくる。


「あの、2枚でよかったですよね?」


「あっ、はい」


真っ赤な顔を見られたくなくて少し顔を下に向けながら震える手で出席カードを受けとる。


先生は渡すとき「はい」と言って渡してくれた。


そのときにふいに目と目が合ってあたしの顔は更に赤みを増す。


「あ‥ありがとうございます」


カラカラになってしまっている喉のせいでうまく声が出なくて振り絞った声はあまりに小さくて先生には届かなかったかもしれない。


だけどあたしには先生が少し微笑んでくれたように感じた。



「これだから後ろじゃないとあかんねんなぁ」


そう言って友恵はあたしの背中をポンポンと叩いて「よかったな」って言葉を付け足した。


マキと奈々も相変わらず後ろを向いたまま「そやねんな」と笑って頷いてくれていた。



なんだかそれだけであたしの涙腺はおかしくなりそうになる。


友達に愛されてるなぁ あたし。
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