ラブレター



先生はまた黒板の方を向いて黒板に

悲しいから泣く
泣くから悲しい

と書いた。


「悲しいから泣く。

泣くから悲しい。


っていう二つの考え方を聞いたことありますか?

皆さん、涙を流したことは絶対あると思います。


ウィリアム・ジェームズは私たちは悲しいから泣く、楽しいから笑うのではなく逃げるから恐れる、殴るから恐れる、泣くから悲しいのだ

なんて論じてますがどっちが正しいとかはないんですよね。

でも僕は悲しいから泣くんだと思いますけどね。」



先生はちょっと目を細めていつも以上に口角上げて笑う。


それがなんだか少しやんちゃな笑い方で胸の奥がキュンとする。


先生、
あたしも人は悲しいから泣くんだと思います!!


そんな思いを込めながら先生を見つめる。



たまーに目が合うけれどそれは先生が全体を見渡しながら講義をするから。


あと先生の講義はいつもガヤガヤうるさいから先生の顔を見て講義を受けている人が少ないせいもあるのかもしれない。


通路を挟んだ向こう側の席に座っている違う学科の女子の方から「松ケン格好いいなぁ」と言う声が聞こえる。


そう先生を格好いいと思ってるのはあたしだけじゃない。
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