ラブレター



あたしはペンを走らせる。




『先生、

私も人は悲しいから泣くんだと思います。


苦しいから涙が出るし


嬉しいから涙が出る



泣いたからと言って悲しくなるわけでも苦しくなるわけでも嬉しくなるわけでもないから。




逆に笑って嬉しくなれるなら


幸せになれるなら


いくらでも笑います。


嬉しいから笑う
幸せだから笑う


そっちの方が
やっぱりしっくりきます。


先生の講義
わかりやすくて楽しいです。』



そこまで書いて手を止める。


感想ってこんな感じ?



毎回毎回不安になる。


だって先生が読むんだもん。



「相変わらず感想書いてんねや。偉いなぁ。ウチなんて無記入やし」


「いいじゃん。あたしは先生に読んで欲しいだけだから」


「そっか、悲しいくらい関わりないからなぁ‥」


友恵の言葉に小さく頷いて迷った挙げ句続きを書く。
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