WHITE LOVE
「杏奈おめでとう!!」
パンッパンッ。
クラッカーの音で杏奈を迎える。
「きゃあっありがとう!!」
「さぁ、座って座って」
樹里が杏奈を主役席に座らせる。八人程座れる大きなテーブルの上には皆でお金を出し合って買ったケーキやお菓子が並べられている。杏奈が好きなチョコレートを中心に。
「わぁ!めっちゃ豪華じゃん」
「でしょ?杏奈の好きなものばっかりだよ」
私は得意げに言う。
「さすがゆず!」
「じゃあ、とりあえず乾杯しよっか」
樹里がノンアルコールシャンパンに手をかける。私達にはまだ馴染めないワイングラスが配られる。シュワシュワと音を鳴らしながらパチパチと弾けていくシャンパンの粒に皆の視線が集中する。
「きれいだねぇ」
「うん。いつか本物飲んでみたい」
私と杏奈は目を合わせ微笑み合う。すごく幸せな気持ちになった。
「はい、じゃあ杏奈の誕生日を祝って乾杯っ!」
「乾杯!!」
カチンと心地よい音が広い部屋に響き渡る。
「んー美味しい!」
「シュワシュワだぁ」
「杏奈も十八だね。これで皆十八歳!!」
「早いね。もう高校生活も終わっちゃう」
皆はケーキやお菓子を食べながら口々に話す。皆で集まったのは八月の樹里の誕生日以来だったのでいろいろな話で盛り上がった。
そして、誕生日会でのメインイベント秘密暴露大会が始まろうとしていた。
毎回あっと驚く秘密が発表される。八月のイベントでは樹里が今の彼氏、啓太くんとの関係を暴露した。啓太くんは学校にあんまり来てないけどかっこよくてみんなの注目の的だ。お嬢様育ちの樹里がそんな不良少年を好きになるなんて皆声を揃えてびっくりしていた。他にも香奈が先生のことを好きになったことや私が中学の頃から付き合っていた彼氏と別れた話など様々だった。
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