WHITE LOVE
帰り道
肌を刺すような寒さが続いていた。カレンダーを覗くと、あと三日で十二月を迎えようとしていた。
そして、杏奈の好きな人が中里君だと分かって二週間が過ぎようとしていた。
あれから杏奈とはあまり話していない。受験勉強の忙しさと親が厳しくて家を出れなくなった。という滑稽な嘘をついて。
杏奈の前でずっと笑顔でいられる自信がないのと、この気持ちを伝えるべきか否かという選択肢に悩まされているからだ。
今日は久しぶりの委員会があり、彼に会うことになる。
「では、学級委員会を始めます」
「今日を含めて三回で委員会活動は終わりになるのでみんなでたくさん意見を出し合いましょう」
ショートカットが似合うハキハキとした話し方で仕切る笹本さんは中里君と同じクラスだ。笹原さんの隣には中里君が資料をまとめながら書記をしている。
彼の指の動きや真面目な表情に目を奪われる。
「みんな資料いった?」
「いったよー」
中里君の呼びかけに、一番後ろの人たちがそれぞれ応答する。
資料に目を通すと、そこにはクリスマスイベントという内容が大きく書かれていた。
「えっと、この資料を見てもらえばわかるように今年は十二月二十二日にクリスマスイベントを行います。放送委員や保健委員も出し物を考えてるんだけど、学級委員が中心になるので皆で出し物を考えていきたいと思います」
笹原さんがそう言い終ると、皆は口々に話し始めた。
そして、杏奈の好きな人が中里君だと分かって二週間が過ぎようとしていた。
あれから杏奈とはあまり話していない。受験勉強の忙しさと親が厳しくて家を出れなくなった。という滑稽な嘘をついて。
杏奈の前でずっと笑顔でいられる自信がないのと、この気持ちを伝えるべきか否かという選択肢に悩まされているからだ。
今日は久しぶりの委員会があり、彼に会うことになる。
「では、学級委員会を始めます」
「今日を含めて三回で委員会活動は終わりになるのでみんなでたくさん意見を出し合いましょう」
ショートカットが似合うハキハキとした話し方で仕切る笹本さんは中里君と同じクラスだ。笹原さんの隣には中里君が資料をまとめながら書記をしている。
彼の指の動きや真面目な表情に目を奪われる。
「みんな資料いった?」
「いったよー」
中里君の呼びかけに、一番後ろの人たちがそれぞれ応答する。
資料に目を通すと、そこにはクリスマスイベントという内容が大きく書かれていた。
「えっと、この資料を見てもらえばわかるように今年は十二月二十二日にクリスマスイベントを行います。放送委員や保健委員も出し物を考えてるんだけど、学級委員が中心になるので皆で出し物を考えていきたいと思います」
笹原さんがそう言い終ると、皆は口々に話し始めた。