あくあまリング
「ははッ(笑) …何言ってんの?オマエ?」

「何って、翔司に告ったんだけどッ?!」

「は…?」

「は?じゃなくてッ。翔司が好きだッつってんのッ!」


あーあ…。

なんだ?この告白。

トキメキも可愛げも何もないじゃない。


当の翔司といえば

ニホンゴ、ワカリマスカ?

と言いたくなるほど、まばたきもしないで凝視してるし。


すっごく気まずい。
どうしよ。

でも告っちゃったし。
今さらあとに引けないし。


「…ねぇ?聞いてる?」

「ん…?あぁ…。」

「だからさ、返事!」

「あ?」

「翔司の返事をちょうだいッて。アタシの事どう思ってるのか、とかさ。」

「あぁ…オレはー…」


そう言って、アタシから視線をそらした翔司。

あぁ…ダメかな…。


頭の中では、断られた後に
「今まで通り、友達としてよろしく!」って
明るく言う覚悟を決めていた…。
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