あくあまリング
沈黙が重かった。

返すべき言葉が見つからない。


でも翔司はアタシが発するのを待っているようだった。


「アタシは…付き合いたいと思ってるよ。だから告ったんだし。」


混乱しながらもようやく出たアタシの言葉。


今度はアタシが翔司の言葉を待つ。


いろんな意味でドキドキしてるのに、混乱でパンク寸前なはずなのに…。


告白でこんなパターンってある?

好きだから付き合うんじゃないの?

好きじゃないから付き合わないんじゃないの?

もしかして、好きの意味が伝わってない?!


アタシの頭の中は次々とクエスチョンマークで埋め尽くされていく。



事故とかで突然の危機に襲われた時
――思い出が走馬灯のように――
っていうけど、アタシの“?”もまるで走馬灯のようだな(笑)


なんて。
ギリギリの精神状態で逆に変な余裕が出てきて自虐的に笑いが込み上げそうになった時。




「オレたち、付き合う?」





アタシは、また“?”の走馬灯に引き戻された…。
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